まず最初に、この度の新聞、テレビ等の報道で「首相の美容室でのカット」が違法かのように前面に出され、またそれを理容業界が何か文句を言っているかのように、誤解されがちで大変迷惑に感じています。
私共、全国理容生活衛生同業組合連合会は、法や局長並びに課長通知を守り、たとえば美容室のカットの順守の件についても、時代の流れを考慮しているつもりであります。特にグローバル社会における理容業のあり方や、世界をリードする日本の理容の果たす役割と、衛生的で高度な理容サービスが世界に広げられるよう努めていることころでもあります。
そんな中、この度の規制改革会議における審議の件につきましても、国民に安心安全な国際社会における理容、美容を考慮した提言を期待しているのでもあります。
@出張理容、美容に係る見直し
A理容師・美容師の同一施設内での混在勤務
B自治体条例における洗髪設備設置規制の撤廃に関する件についての考えは別紙のとおりでございます。
特に、A理容師、美容師の同一施設内での混在勤務は、一企業の売り上げアップを目的とする要望のみをふまえたものと思える内容で、強く反対いたします。
また、「理容師及び美容師の資格制度を統一すべき」につきまして、法ができて68年が経過していて(途中何度か改正はあり)、現在では衛生的かつ高度な、世界をリードする理容師、美容師のあり方を考える時期に来ていると思います。
むしろ21世紀の理容や美容が果たす、より衛生的な安心安全なあり方について、国民目線を基に理容師、美容師の意見も参考として、グローバル化にふさわしい姿として確立することが急務かと存じます。
どうか、この考え方にもご理解下さいまして、今後共良きご指導ご意見を下されば幸甚に存じます。
1.出張理容の見直しについて
(1)出張理容(訪問福祉理容)についての大原則は、衛生消毒や施術者の責任の明確性からも、高齢者の安心、安全を重視する上において、全国の各保険所で管理の可能な理容開設店からの訪問福祉理容であるべきである。
(2)理容店開設者は、年に一度、衛生消毒講習会等を受講している。理容師免許を持っているからのみでは、時代の変化(例えばウィルス対応消毒など)に伴った消毒方法は分らないはずである。
(3)理容店開設者は、万一の事故があった時の賠償保険に加入して万全を尽くしている。
(4)(2)の衛生消毒講習会と共に、内閣府のすすめているゲートキーパー(自殺防止)養成研修会や、理容ボランティアの日を定めて、長年続けてきた理容の奉仕活動を行うほか、町の見守り隊的役割も果たしてもいて、訪問福祉理容は地域の支え合いにもつがなるものである。
2.理容師、美容師の同一施設内での混在勤務の容認について
同一店での理容師、美容師の混在勤務は、無資格者による違法行為を高める。また理容、美容の業界範囲が混在化し、国民の安全、安心、衛生面での心配が生じ、利用者利益を損ないかねない。また、今回の規制見直しの案は、その業者のみに利益を与えるものである。これまで公衆衛生の向上に努め、地域住民の生活衛生を支え、その衛生的な理容文化にも目をむけてほしい。
3.自治体条例における洗髪設備設置規制の撤廃について
近年、「アタマジラミ」に感染する子供の被害もあり、感染した子供への差別が社会問題化していて、理容店に対してアタマジラミ感染に対する水際対策が求められている。頭髪のカット、シェービング、洗髪は理容の一連の流れ作業における重要な役目を果たすものである。洗髪設備を設置していないことは、何より不潔感極まりなく、理容師法第12条第4号に基づく施工条例で、理容所に洗髪設備を設けることを規定しても特別奇異なことではなく、同条の規定の趣旨に照らしても施設に対する衛生上必要な措置として、至極同然な規定と考えている。
理美容に係る規制の見直し」の波紋
政府の規制改革会議が、平成27年3月12日に公開討論が行われました。
この中で、医療関係・労働関係、そして理美容の規制緩和の問題が、取り上げられました、
その後、平成27年3月23日に第8回規制改革会議にて、大森全理連理事長が出席され、理容業界の代表として意見を述べておられます。
その時に述べられた趣意書など掲載しておりますので、ぜひ読んで下さい。
今後、審議次第では 我々理容業界にとって重大な岐路に立たされておりますので、我々理容師も、無関心では居られません。
諸先輩方が、苦労されて今日まで築いてこられた此の理容業界が、バラバラになって申し訳ないです。
理容師になるまで、下働き、理容学校に通い、夜遅くまで技術の研鑚、講習会への参加、接客の勉強、やっと国家試験に合格して理容師になり、スタイリストとして活躍、念願の独立開業、オーナーとしての接客・技術の提供、経営者として売上upの努力、自身のスキルアップ、そして、経営環境の悪化(不況など)、様々な過程を得て現在まで来られた、皆様かと思います。
残念ながら、苦労してこられたのに自分の技術を、安く売っておられる方が、居るというのは悔しく悲しいですね。「安さが、サービス」「安さが、ニーズ」ではありません。
理容業は素晴らし職業です。理容師として、プライドを持ち、確かな技術、心こもったサービス、運命共同体としての組合員通しの絆を深める事が、肝要かと思います。
今回掲載しました「理美容に係る規制の見直し」について、しっかり読んで下さい。そして、考えて下さい。
もっと、自信を持ち、誇りを持ちたいものです。
でも、サロンの埃と心の埃は、捨てて下さい。
明日の為に、今は瓦場であっても一歩一歩前に進みましょう。 |
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