６月末、私が参加させてもらっているソフトボールのリーグでＡチームとＢチームがもめた。
Ａチームの彼の言い分はこうだった。

「借りたグランドなんだから内野だけでなく外野まで整備して返しましょうよ。」と、なるほど正論だ。Ｂはその日のグランド担当チームだったが、早く帰る人もいて気が抜けたのか、内野だけ整備して終わろうとしていた。

別の日、私がランニングをしている公園で、シニアリーグのチームが練習していた。夜１０時頃まで熱心に練習しているチームだ。しかしグランド整備は内野しかされなかった。これって普通のこと？こどもの指導の一環としては、借りたグランドはすべて整備して返すというのを考えた方がいいのでは？ イチローは「野球が上手になるには？」と子供に聞かれて、「グラブを自分で磨いて下さい。」と言うそうです。

２０年間無敗だった伝説の雀鬼桜井章一は物言は、準備・実行・後始末のワンクールで成立していて、どれが欠けてもだめだと教えている。

あと５分、もう１０分時間を作ればできるのに。
あと１往復もう１００ｍ皆でがんばれば終るのに。その５分、１０分、１往復、１００ｍに本当の意味があるのでは？そこに人間性が表れるのでは？勝つことだけを教えていないか？結果だけを見ていないか？疑問はふくらむ。

４０才を目前にした私にとってＡチームの彼の言い分は、若いころだと煙たく感じただろうが、今は同調できる。いつも最後までグランドに残り、後始末をきちんとやれる彼の姿を見るたびに感心し、感動させられる。言葉には出さないが「カッコイイ！！」「本物」がめんどくさがられ、敬遠され、スマートさがもてはやされる時代の風潮の中で「本物」の持つカッコよさを見失わないようにと思う。今日この頃でした。